Concept of Research
バイオニック循環器病学
Bionic Cardiology
バイオは命、遺伝子など生物系を表し、ニックは電子、工学、IT等ハイテクを象徴しています。バイオニック循環器病学は生命科学と先端工学を融合させることにより、従来の医学体系では治療が困難であった循環器疾患の治療を目指す全く新たな医療体系(図)であり、当社のfounderの一人である砂川賢二が世界に先駆けて打ち出したコンセプトです。その要素技術は”神経情報の翻訳”、”脳機能代替”、”脳機能を超えた機能の実現”であり、我々は段階的にその解明、開発を進め、研究論文を発表しています。
電気刺激による神経制御
Neuroceuticals for Cardiovascular Disease
神経回路における情報の伝達は電気刺激によりその情報制御が可能であり、欧米では、近年、電子的な神経への介入により生体制御を行う研究が大きな潮流になりつつあります。当社では、電子的神経調節(Neuroceuticals)による心血管病治療として心筋梗塞急性期における迷走神経電気刺激による梗塞サイズ抑制治療や迷走神経慢性電気刺激による心不全治療、動脈圧受容器刺激を用いた体液調節機能の再生による心不全治療などに取り組んでいます。開発したテクノロジーの臨床への展開を現在目指しています。
数理モデルに基づく循環最適制御
Mathematical Model Based Optimal Circulatory Regulation
循環は心臓や血管の機能が複雑に関わりあって構成されているように見えますが、非常に単純な数理モデルに置き換えてその機能を把握することが可能です。この数理モデルを背景に、現在臨床で用いられている経皮的心肺補助装置(percutaneous cardiopulmonary support, PCPS)や左室補助装置(Left ventricular assist device, LVAD)などの体外循環装置がどのように循環に影響するかを割り出し、病態に合わせてより安全かつ効果的な治療が可能になる最適制御アルゴリズムの開発を進めています。